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「知る」を届ける医師を目指して/須藤亜紗実(インターン)#soar応援

こちらの記事には、ウェブメディアsoar2周年に向けて、soarメンバーやサポーター(寄付会員)がsoarへの思いを綴ったコラムを掲載してます。

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こんにちは、soarインターンの須藤です!
2017年も気づけばあと少し。例年のことながら、時の経つ速さにハッとさせられているこの頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
私は今年の7月からインターンとしてsoarの活動に携わらせていただいています。今回は私がなぜsoarに携わろうと思ったのか、その経緯についてお話ししたいと思います。少し長くなりますが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

医学部生としての私

現在私は都内の医学部の学生をしています。とはいえ実は医学部に入る前に、全く別の学部で大学を卒業しており現在は2回目の大学生活をしています。ではなぜ私が医師になろうと思ったか、、それについては今回は長くなってしまうので割愛しますが、とても大きなことを言ってしまうと、『一医師として医療の場から社会と関わり、社会と医療との関係をより良いものにしていきたい』そんな想いのもと医師を目指そうと思いました。そしてその思いは今も変わっていません。

と一口に言っても、日々の医学部の勉強では、膨大な知識を詰め込むことにどうしてもいっぱいいっぱいになってしまいがちです。そこには、患者さんを目の前に医療を実践するという、温度を持った人と人の触れ合いはなく、むしろ勉強という無機的な作業をこなしているだけのような、そんな違和感を覚えていた時期もありました。

もっと人の温度を感じながら、人との交流を通して社会に繋がれないか、、そんな思いから、人々の交流の場であるレストランでのアルバイトを始め、気づいたらサービスの資格を取るまでにのめり込んでいる自分もいたりしました。『医学の勉強は、勉強としてこなす』と無機的に割り切り、自分のパッションの多くはどこか医学の勉強以外に向いている。6年間の学生生活も2/3が過ぎようとしていた頃、私はなんだかそんな日々を過ごしていました。

こころ揺さぶられた、あるきっかけ

ですがそんな時、私の心を揺さぶる出来事がありました。それは他でもない小林麻央さんの、がん罹患の公表、そしてブログkokoroの開設でした。

おそらく日本中の多くの方々が感じていたのと同じように、私も彼女の綴る言葉の数々に奮い立たされ、励まされ、心を揺さぶられました。自分の ”今” を見つめ直し、”生の恩恵” を痛感させられる、そんな思いを何度も味わいました。

彼女の語る言葉は "cancer gift" すなわち『癌になったからこそ得られたもの』を私たちに示してくれているような、そんな強さを持っていたように私には思えました。

『がん』とは医学部生にとっては幾度となく学び、言ってしまえば聞きなれた言葉の一つです。そして、『がん』と聞いて思い起こされる知識の量も間違いなく膨大なものです。しかし私たちが持っていた知識には『がん患者さんの生活』という視点がポロリと欠如していた。その事実に、私は彼女のブログを通して気づかされました。

もちろん患者さんの心理、社会的問題について、知識としては知っていました。ですがブログでありありと綴られる彼女の言葉を前に、自分は医師を目指しながらも患者さんの実情についてこんなにも無知だったのかと、強く胸を突かれる思いを感じました。そして同時に、このブログを通して彼女の言葉に励まされている人々が大勢いることも目の当たりにしました。

がん患者さんのサポートシステムをつくりたい

日本人の2人に1人は生涯のうちに癌になり、3人に1人は癌で亡くなる、現在はそう言われている時代です。それなのに、その実情に対し私はこんなにも無知だったなんて。私はこういう人々の思いを汲み取るために医師を目指したんじゃなかったのか。

そんな衝撃を契機に、そこから私は癌患者さんの心のサポートに関心を持つようになり、学校の同期たちと、癌患者さんのサポート活動ができないかと考えるようになりました。

それからは知人の協力を得て、実際の癌患者さん、癌サバイバーの方々、そのご家族や患者会を運営している方々にお話を聞きに行ったり、癌患者さんの支援団体に参加したり、病院の癌相談センターに話を聞きに行ったりと、多くの方々にお話を聞きました。

そうした調査の中で見えてきたのは、「癌の告知は突然やってくる」ということ。そして「その時は頭が真っ白で何も考えられない。情報を求める術もわからない。でもそんな時こそ何より正しい情報が必要だ」ということでした。

現在の医療体制において、治療法の選択肢のこと、社会的サポート制度の存在、患者会の存在、家族へのサポートの存在、そうした本当に必要な情報は、待っていれば病院が与えてくれるものでは必ずしもないのです。

「あの時この情報を知っていれば、、、」そんな経験を語ってくださった患者さんやご家族が本当にたくさんいらっしゃったことに、この時改めて驚きました。また逆に、前述の小林麻央さんのブログのように、「自分と同じ境遇で苦しんでいた過去を持つ人の経験談が本当に救いだった」という声も多く聞かれました。

それならば、告知を受けた時になす術がわからず困っている患者さんをナビゲートするシステム、正しい情報、知っておくべき情報にリーチさせるシステムは作れないか。

そう思い立ち、同期とともに癌患者さんのナビゲートシステムを、より多くの人に届けられるweb上で作れないかと考えた時期もありました。しかし、それはすぐに限界にぶち当たりました。ひとくくりに癌患者さんと言っても人により状況は様々であり、それぞれの人の必要とする情報は異なります。また、web上にいくら情報を詰め込んでも、結局のところ生の人の声や経験談に勝るものはなく、情報量が多くなればなるほど質の確保は難しくなります。

「学生である私たちには、課題が多すぎる、、、」

そう感じずにはいられませんでした。

私達にできること、そしてsoarとの出会い

「じゃあ私たちにできることは何なのか、、、」

そう原点に立ち返った時、インタビューの中で患者さんから伺った言葉がよぎりました。

辛い時、この団体があったから救われた。
この場所に来れたおかげですっと肩の荷が下りた。

私たち学生が新たに何かシステムをつくり出さなくとも、癌患者さんのサポートをしている団体、癌サバイバーの方々の数々の経験談を公開している団体、癌患者さんやその家族、友人を受け入れ、話す場を提供している団体、そんな素晴らしい団体が社会にはすでにたくさん存在しているのです。

問題は、その団体の存在を患者さんたちが「知れなかった」ことにあったのだと、そう気づきました。それならば私たちがすべきことは、患者さんたちとそうした団体とをつなぐことなのではないか。患者さんを、その人が欲している情報にリーチさせる手助けをすることなのではないか。

そう思いを改めていた矢先にたまたまネットで見つけたのがsoarの記事でした。これは!という思いでイベントに参加し、代表のみずほさんのお話を聞いた時の衝撃は今でも忘れられません。

「情報を知らない」ことは運命を大きく分ける、だからこそ価値あるものを世の中の必要な人に届けたい。

みずほさんはイベントの中でそうおっしゃっていました。それはまさしく私が目指していたことでもありました。そしてその場ですぐに、soarでボランティアをさせてほしいとお願いをしました。そんな経緯を経て、私は現在soarの活動に携わらせて頂いています。

soar に携わってみて

そして実際に活動に携わってみて、まだそれほど期間は経っていませんが、soarの魅力を改めて感じられています。

まずは何より私自身が一読者としてsoarの記事を読み、色々な人のストーリーを生き生きと感じることができ、「知れること」の価値を実感しています。そして、そうした記事に寄せられる数々のコメント、soarのイベントに来てくださった方々のお話、そしてsoarを作っているメンバーの想い、そういったものの一つ一つもそれぞれ色合いや温かみを持ったストーリーとして感じられています。

いろんなストーリーの集合体として世界を捉えたら、世界がより多様で魅力的に見えて、その中で自分はどんなストーリーを紡ごうかと、"自分を生きる"ことにポジティブになれる。soarに関わるようになった今、私にはそう感じられています。

医師を目指すものとして、"病気"を見るのではなく、"病気と共に生きる人"と向き合うことの大切さを、一連の経験、そしてsoarとの出会いを通して私は再認識できました。「知ること」「知れること」は自分を見つめ直し、自分を作り上げる力になる、私は今そう実感できています。

そんな風に感じられる人が一人でも増えたら、、、そんな思いを持ちながら、現在わたしはsoarの活動に携わっています。

これからもぜひ一緒にsoarを盛り上げていきましょう!

長くなってしまいましたが、最後までお読みいただいてありがとうございました^^

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