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LITALICO、cotree、soarで考える「困難のあるひとをインターネットで支援するには?」

何か情報を知りたいとき、まずはインターネット上で検索をする方が多いのではないでしょうか。インターネットは情報を得るためのツールとして、今やなくてはならないものです。

「soar(ソア)」は、 人の持つ可能性が広がる瞬間を捉え、伝えていく活動を行なっています。ウェブメディアsoarの運営、イベント、活動説明会などの様々なかたちで発信していくことで、同じ願いを持つ人たちが集う場を生み出します。

LITALICOとsoarは、それぞれにメディアの運営を行っており、インターネットを通じて情報を発信することで、困難のある人へのサポートを続けてきました。

今回は、5/29(火)にLITALICOの社員の方々とsoarメンバーで合同勉強会を開催しました。

テーマは、「困難のあるひとをインターネットで支援するには?」。

登壇したのは、オンラインカウンセリングサービス「cotree」を運営する株式会社cotree代表の櫻本真理さん、LITALICO発達ナビ編集長の鈴木悠平さん、soar代表の工藤瑞穂の3名です。

【 『障害のない社会を作る』という理念を掲げる株式会社LITALICO】

鈴木悠平さんが編集長を務めるLITALICO発達ナビは、発達が気になる子どもを育てるパパママが、必要な情報をみんなで共有することができるポータルサイトです。

インターネットの向こう側には、病気や障害に悩んでいる「生身のひと」がいる。その人たちが検索した時に、安心と希望に溢れた情報が一番最初に目につくようにしてほしい。

そういった思いのもと、LITALICO発達ナビは運営されています。

【オンラインでのカウンセリングサービスを運営する株式会社cotree】

櫻本真理さんが代表を務める株式会社「cotree」は、病気や心の不調を変化へのきっかけとし、しなやかな心を育てることをテーマにしたオンラインカウンセリングサービスです。 時間や金銭、地域など制約をできるだけなくし、誰でもカウンセリングを受けやすい環境を提供しています。

また最近は、「takk!(タック)」という新サービスをリリース。

「自分にできること」を発信する人が増えることで、そういった人たちに周りの人が頼みやすくなるように。課題を抱えている人たちは自分で助けを求めることが苦手、という課題意識から生まれた、「ありがとう」を増やすためのサービスです。

cotreeでは、サービスの中でも、援助者が被援助者を一方的に支えるのではなく、関わり合いの中でお互いに学びを得て成長していけるコミュニティを目指しています。

【課題に対してアプローチする方法を選ぶとき、何を考えたのか】

こうして始まった3名によるトークセッション。

はじめの議題は、「課題に対してアプローチする方法を選ぶとき、何を考えたのか」についてです。

工藤:情報を見つけられなかった当時の自分を救いたくて、メディアという方法にしました。

工藤は、叔父が統合失調症になった時、インターネット上では自分の求める情報を見つけられなかったことから、積極的に障害や病気に関する取り組みについてリサーチします。北海道浦河町にある精神障害等をかかえた当事者の地域活動拠点「べてるの家」を訪れた時、当事者同士が支え合うことで症状を落ち着かせ、障害と共存しながら生きている様子を目の当たりにしました。

「もっと早くに叔父がべてるの家を知っていたら。」と、支援を必要としている人が簡単に情報を見つけられるように、とsoarを立ち上げます。

鈴木:どのようなビジョンを描いているのかを大事にする度合いが大きいから、手段は問わないです。

はじめに考えることは、自分にある専門性、人とのつながり、触れてきた当事者がどのような人たちだったか。自分の持っているリソースを考えた時、「社会全体を巻き込むとしたらどのような方法がいいのか」を考えると話してくださいました。

鈴木:「描くビジョンのためにどれだけまっすぐに進み続けられるのか」については、理屈だけではなくて、いかに自分の心が揺さぶられたのかも大事だよね。
工藤:そうそう!私は今までできなかったことができるようになったということを知ると、テンションが上がる。テンションが上がることが詰め込まれたようなサービスなら、続けられると思いました。

工藤の心が揺さぶられる瞬間というのは、soarの「人の持つ可能性を広げる瞬間を届ける」というビジョンにも通じています。

櫻本さんは、「サービスが届いた時に、誰が喜んでくれるのか」を想像してサービスを立ち上げたそう。

櫻本:サービスの利用者さんに「身近な人には頼れなかったけど、オンラインカウンセリングを使ってからは、困った時に声をかけることができた。私にとっては実家みたいな安心感があるサービスです」って言われたことがあって。その言葉は私にとって一番ワクワクした言葉でもあり、落ち込んだ時に思い出す言葉でもあります。

鈴木:本当にやりたいことなのか、自分に嘘をついていないのかを考えることって大事だよね。そのサービスに対して、発起人、編集長、代表以上の熱量を持つ人は現れない。熱量は伝播していくものだから。

自分のサービスで課題にアプローチする時、届いて欲しい人は誰なのか。その人は具体的にどのような思いを抱いていて、どのような暮らしをしているのかを考えることが重要です。

【自分のサービスに対して反対意見をもらったときは、対話をするチャンス】

参加者からは、「サービスや考え方に対して、サービスの利用者や読者から反対意見が出たとき、どのような対応をしていますか?」という質問をいただきました。

櫻本さんは、カウンセリングへのハードルを下げたいという思いの元、cotreeを立ち上げました。しかし、専門家の方から、「オンラインのカウンセリングで利用者の悩みは本当に解消されるのか」と反対意見も受けたそうです。

それでも伝え続けたのは「オンラインだからできる可能性もある」ということ。カウンセリング業界の方達を脅かすものではなくて、既存の手段で届いていない人たちのために“補完する”ためのツールであることを説明しました。丁寧に伝え続けることによって、次第に寄り添ってくれる専門家の方を見つけることができたそうです。

また、鈴木さんと工藤からは、読者の方からの反対意見についての話も聞きました。

工藤:反対の立場の感想をいただいた時こそ、その人がどのような思いで言葉を発したのかを考えます。その言葉の背景には、その人なりの生きづらさを抱えていることがあると思うから、「批判」ではなく、その人の社会へのメッセージとしての意味を考えますよね。

また、鈴木さんは「その人たちとの接点を持つことを諦めない」と言います。

鈴木:この問題に対しての考え方については異なっているけど、別の部分で共感できるポイントがあるかもしれない、と対話しようとする姿勢は持ち続けたいですね。

自分という人間や、自分のサービスに対しての批判と捉えるのではなく、お互いが目指すビジョンについての意見交換という見方に変えてみる。そうすることで、学び合う関係へと発展することもあるそうです。

【インターネットを通して、ひとりと向き合う姿勢を持つこと】

最初から全員に喜ばれるサービスを作り出すのは難しいものです。でも、インターネットでは、気軽に発信もでき、意見や感想をもらうことができます。

インターネットで支援するには、アクセスしやすい環境で、顔が見えないからこそ言えることがあることを忘れずに、多くの人と丁寧に向かい続ける姿勢が必要であることを学びました。

ウェブメディアsoarでは、今後も「人の持つ可能性を広げる瞬間」を届けるため、メディア運営や支援のかたち、生きづらさへの捉えかたなど、様々な学びを深めていきたいと思います。

soarでは、サポーターになってくださる方を募集しています。サポーターになっていただいた方には、会員限定のメールマガジンをお送りしたり、オンラインコミュニティへご招待させていただきます。今回のような、サポーター限定のイベントも開催予定です。

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「soar(ソアー)」は、 人の持つ可能性が広がる瞬間を捉え、伝えていく活動です。様々なかたちで発信していくことで、同じ願いを持つ人たちが集う場を生み出します。誰もが自分の持つ可能性を活かして生きていける未来を願って。 http://soar-world.com
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